自分自身の力だけで過払い金請求を実施
弁護士・司法書士に頼んで過払い金請求をおこなうのは、お金がもったいない。 そんな人のために、個人で過払い請求をおこなう場合のやり方をご紹介致します。
手順の流れ
@貸金業者に問い合わせて、取引履歴を取り寄せます。 電話をすれば郵送してくれます(10日〜2ヶ月ほどかかります)。
A引き直し計算をします。 引き直し計算とはどういうものかというと、取引履歴を見ながら『利息制限法』で定められた金利の計算をおこなうということです。 通常、貸金業者は『出資法』で定められた金利で利息を計算していますから、引き直し計算をすることで、貸金業者が提示している金額と照らし合わせることにより、どのくらいの過払い金が発生しているかがわかります。
B『過払い金返還請求書』を作成して貸金業者へ郵送します。 郵送して1週間から2週間くらい経つと、電話がかかってくるか、何も音沙汰がないかです。 貸金業者との電話交渉になると、現在の借金を0にするもしくは引き直し計算した金額のうちいくらまでなら支払う、という妥協案を出される可能性が高いです(10%くらいはそのまま満額過払い金を支払ってくれるところもあります。それだと和解が成立し、銀行口座に過払い金が入金されます)。 もし、妥協案に納得できなければ、裁判となります。 かなり圧力(『借金を0にできるのは今だけですよ?』『本当にいいんですか?裁判になったら、困るのはそちらですよ?』など)をかけられることもありますが、屈せず裁判をおこないましょう。
C訴状を作成し、『取引履歴』『引き直し計算書』『代表者事項証明書』と共に裁判所へ提出します。訴額が140万円以下の場合は簡易裁判所、それ以上の場合は地方裁判所が管轄となります。 訴状を裁判所へ出したあと、裁判所の担当の方から第一回口頭弁論の日時について連絡が入ります。 1週間以内には連絡が来ると思うのですが、もし来ないようなら問い合わせてみて下さい。
D第一回口頭弁論の前に、訴えた貸金業者から答弁書が郵送されてきます。 争う姿勢がなければ、その中に和解金額が記載されています。 もし、その和解金額で納得できるようであれば貸金業者へ連絡を取り、和解しましょう。 和解する場合は貸金業者が和解書を送ってきますので、それに名前や住所などの必要情報を書き、返送します。
E第一回口答弁論には貸金業者はほとんど出廷しません。 和解が成立している場合は、判事にその旨を伝えます。 和解不成立の場合は、答弁書で反論をしてきます。 大体10分程度で終了し、次回期日を決定します。 大体の業者この時点で和解成立します。 しかし、かたくなに過払い金返還を拒否する業者も中にはいます。
以上です。
簡単に書きましたが、裁判に必要な書類や、裁判に関するやり取りは非常にめんどくさくややこしいです。 個人で過払い請求をおこなうのも良いですが、途中で混乱してしまいそうな人はプロに頼む方が確実ですよ。